高架下

すずろに書くよ

筑紫丘高校に入学してしまった話ー古き悪しき伝統

今回は私が入学してしまった福岡県立筑紫丘高校の現状について話したいと思います。多くの人に知ってもらいたい内容です。尚、記すのは2014年頃の話ですが、現状は2020年現在も変わっていないようです。筑紫丘高校のリンクはこちら。

chikushigaoka.fku.ed.jp

筑紫丘高校とは

福岡県立筑紫丘高校は福岡市に存在する公立高校であり、私の母校でもあります。地元では有名な進学校として認知されていました。学区の中で最も偏差値が高いという理由で、ここを志望する学生も多くいます。

入学して明かされた惨状

私がこの高校に入学して後悔した理由は次のひとつに尽きます。

 

「応援団」です。

 

この集団のせいで一時は真剣に転校も考えていました。

彼らは対面式という保護者観覧のない式典においてはじめて現れました。当高校の主に2年生と3年生により構成されており、檀上に突如入場してきた応援団員たち、そして耳障りなほど足を踏み鳴らして登場した応援団長と思しき人物が聞き取ることのできない怒号をあげ始めます。すると2,3年生たちがおもむろに一斉に立ち上がります。訳の分からない私達新入生は団長にいきなり怒鳴られました。どうやら先ほどの叫び声は「全員立て!」と言ったらしく(絶対に聞き取れない)、立たなかった新入生たちに怒髪天のようでした(もちろん新入生はひとりも立っていない)。そして校歌斉唱が始まりましたが、入学したての新入生は校歌などもちろん覚えていません。団長はまたまたこれに憤怒したようで、再び私たちに怒号を浴びせます。

呆気にとられたこの式典の数日後から3日にわたって「校歌指導」という悪しき行事が行われます。重要なのはこのことを新入生は全く知らされていなかったということです。

校歌指導という悪しき伝統

すべての授業が終わり、ホームルームも終了すると、長ランに身を包んだ応援団員が教室にやってきて例のごとく叫びます。怒号に従うがまま1年生全員がひとつの教室に集められ、40分か50分ほどの校歌指導が始まりました。曲がるときには「直角に曲がれ!」と怒鳴られ(直角に曲がっても言われる)、移動中前の人と間が空くと、間をあけるなと怒鳴られ、前の人との間をつめようとしたり間をあけないように走ると、「走るな!」と怒鳴られます。そしてあまり広くない部屋に学年440人がぎゅうぎゅうにつめられます。そこから校歌と応援歌を40分間叫ばされます。(この高校は校歌も応援歌も常に叫び、叫んでいる間は拍に合わせて常に腰を反らす。)このとき団員が巡回しており、歌詞を覚えていないと胸ぐらを掴まれて目の前で怒号を浴びせられます。腰の反りが甘いと無理やり腰を限界まで反らされます(当然怒鳴られる)。生徒たちは汗だくで教室の換気も悪く蒸窯のような状態です。意識朦朧、疲労困憊で倒れる人も少なくありませんでした。また、倒れずとも喉と腰をかなり痛めます。筆舌に尽くしがたいこの地獄絵図を映像や写真で伝えたいのですが、残念ながら見つけられませんでした。(見つからなかった理由は後述)

これを3日繰り返しました。その間教師はただ見ていただけです。

 

体育祭の手拍子でも同様の指導がありました。肩と腕が非常にキツく、のどと腰は痛めます。

その後も応援団は始業式や終業式、全校集会の度に現れ、怒号をあげて校歌や応援歌を叫ばせて退場していきます。

何が問題か

この旧態依然の辟易すべき根性指導は非人道的なものであるにも関わらずなぜ未だに続いているのか、これについて私は在校中に教師に聞いたことがありました。返ってきた答えは「伝統だから」という最も理解に苦しむものでした。毎年何人もの新入生の体調を崩し、健やかな精神を壊している存在がなんの疑問も持たれずに存続しているのでしょうか。私のようにおかしいと感じた生徒は多かったはずです。何人もの生徒たちが質問してきたことでしょう。しかしこの古き悪しき伝統が改善される気配はありませんでした。その理由は校歌指導の映像が見つけられなかったことと新入生が応援団を知らなかったことにもつながります。この応援団とそれに付随する諸々は外部へと知らされていないのです。これが一番の問題だと感じます。

応援団は入学式や卒業式などの保護者含む外部の人間がいる場面では現れません(例外として体育祭のときは演者として登場する)。【修正:入学式の校歌斉唱は応援団によるものでした。ただ入学式では怒鳴られなかったと記憶しています。(修正日2020/09/02)】また、彼らに関して不文律のような空気感があり、私が卒業式の日に保護者のいる教室でのあいさつで応援団について言及した際、教師の表情があからさまに曇っていたことはよく覚えています。

外部に徹底して情報を出していないことがなによりの問題です。もし私がこの高校に入学する前に彼らや校歌指導、体育祭のことを知っていたら別の高校へ行くという選択もあったことでしょう。知っていればこんな高校には来なかったと思った新入生は私以外にもきっといたでしょう。そのような人をひとりでも減らすべく、私はこの記事を書きました。

まとめ

本心を言えば在校中に応援団に付随する悪しき伝統を消し去りたかったです。そのために大々的に行動するには高校生はあまりに忙しく、あまりに非力でした。今でもこのような悪しき行事や伝統は見直されることが一番だと思っています。しかし、この事実が外部に広く知らされていないという、より重大な問題に一石を投じるためにこの記事を書き、私と同じような情報不足による選択ミスを犯した人を減らしたいと考えます。偏差値や知名度だけでこの高校に行こうとしている福岡市の賢い学生たちと、社会を変えられる我々大人にはぜひこの事実を知ってほしく、広めてほしいと思っています。